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過日3月20日(土)、令和3年度光運寺春季彼岸会を開催いたしました。コロナが終息するにはもうしばらく時間がかかりそうなので、「もしかすると今回のお彼岸はお寺に来ていただける人は少ないのでは」と前日まで心配していましたが、想像以上にたくさんの方々にお越しいただきました。また、法要中はマスク着用で大きな声を出すことは難しかったかもしれませんが、こういったご時世でも皆さまと心を一つにしてお念仏できたこと、大変嬉しく思いました。
<開式前に説明をする副住職>
そもそもお彼岸とは、ご先祖さまへの供養をするものと思われているかもしれませんが、実は私たち自身が仏さまの世界に渡るための修行をする期間でもあるのです。修行の内容としては次の六つ、六波羅蜜(ろくはらみつ)を実践すれば良いとされています。一つ目は「布施(ふせ)」…お金や物、自分の持っている知識、親切な心を他人に与えること、二つ目は「持戒(じかい)」…仏教における厳しいルール(生き物を殺さない、嘘をつかないなど)を守ること、三つ目は「忍辱(にんにく)」…どんなに嫌なことがあっても耐えること、四つ目は「精進(しょうじん)」…怠けることなく努力をして良い行いをすること、五つ目は「禅定(ぜんじょう)」…精神を集中させて常に冷静でいること、そして最後が「智慧(ちえ)」…考えが偏ることなく正しく物事を判断できること、以上の六つになります。
いかがでしょう。これら六つの修行を完全に実践できるに越したことはありませんが、現実的には不可能だと思いませんか?私たちは生きるために牛や豚、魚から命をいただいています。悲しいことや辛いことには耐えることができず、他人に頼ってしまいます。物事がなるべく楽に済むように大変なことから避ける傾向にあります。六つのうち一つの修行も実践できない私たちですが、もう仏さまの世界に行けないのかといいますと決してそうではありません。こんな愚かな私たちでも救われ、誰にでも簡単にできる修行を阿弥陀さまがしっかりと用意してくださいました。それがお念仏を称えることです。
今回のお彼岸法要を通じて皆さまとたくさんお念仏をお称えさせていただきましたので、確実に極楽浄土に近づいているでしょう。また、困っている人に手を差し伸べることは「布施行」ですし、嘘をつかず正直に生きることは「持戒行」を実践していることになります。お念仏を称えているからと言って「六波羅蜜」の実践を諦めるのではなく、自分のできることから始めることが好ましいように思います。そうすれば自然と心に余裕ができ、日々の生活が過ごしやすくなることでしょう。
<住職による法話の様子>
最後に、檀信徒の皆様のご理解ご協力により今年度の春季彼岸会が無事開催できましたこと厚く御礼申し上げます。7月の施餓鬼会、9月の秋季彼岸会も感染対策を徹底した上で開催する予定です。皆様には引き続きご不便をおかけするかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。(副住職)