令和2年度 秋季彼岸会・永代祠堂法要を開催(疫病終息祈願)

お知らせ・ブログ

HOMEお知らせ・ブログ令和2年度 秋季彼岸会・永代祠堂法要を開催(疫病終息祈願)
2020.09.26
令和2年度 秋季彼岸会・永代祠堂法要を開催(疫病終息祈願)

過日9月20日(日)、令和2年度光運寺秋季彼岸会・特別永代祠堂法要を開催いたしました。 7月の大施餓鬼会に引き続き、様々なコロナウイルス感染症対策を実施しました。密になることを避けるために法要を2回に分け、また座席の間隔や換気にも十分な注意を払い、安心して参詣いただけるようつとめさせていただきました。

法要では例年通りの次第に加え、「利剣名号(りけんのみょうごう)」のお軸をお祀りして 新型コロナウイルス退散を祈願したご回向をさせていただきました。「利剣名号」の縁起につきましては法要後のご挨拶にて申し上げましたが、残念ながら法要に参加できなかった方もいらっしゃるかと思いますので、改めてお伝えいたします。

「利剣名号」のお軸は「ひゃくまんべんさん」と親しまれている浄土宗の大本山、百萬遍知 恩寺さんの宝物で、作者は真言宗を開かれた弘法大師空海上人です。剣のように鋭く尖った字 で「南無阿弥陀仏」と書かれ、1000年以上も前の作品であるのにもかかわらず、現代の著名な芸術家からも非常に優れたデザイン性に驚かれています。

「真言宗を開いた空海上人の作品がなぜ浄土宗のお寺に?」と思われた方もいるかもしれません。きっかけは鎌倉時代の元弘元年(1331)に京都を襲った大地震でした。多くの人が亡くなったことで疫病が蔓延してしまい、当時の天皇であった後醍醐天皇はなすすべなく心を痛めておられました。そこで当時、世の中で評判だった百萬遍知恩寺第8世善阿空円(ぜんあ くうえん)上人に白羽の矢を立てることになりました。天皇からの命令を受けた空円上人は、 弟子たちと約1週間をかけて100万回にも及ぶお念仏を空海上人作の「利剣名号軸」の前 で称え続けたところ、なんと疫病が収まり絶体絶命の危機を回避することができたのです。 感銘を受けた後醍醐天皇は空円上人に「利剣名号軸」を与えました。これが宗派や時代も越えて「利剣名号軸」が百萬遍知恩寺さんに残されている理由です。

「止まない雨はない」という言葉もあるように、今回の疫病のような辛い出来事はいつか終わりを迎え、その後に必ず幸せな日々が訪れます。また、阿弥陀さまはお念仏を称える私たちを常に温かく見守ってくださっていますので、気落ちすることなく前向きな心持ちで 日々の生活をお過ごしいただければと願います。

最後になりますが、檀信徒の皆様のご理解ご協力により今年度の秋季彼岸会が開催できましたこと深く感謝申し上げます。今後の行事も対策を徹底した上で可能な限り開催していきたいと考えておりますので、何卒よろしくお願いいたします。   合掌

記事(副住職)